60年代伝説的短距離馬ドクターフェイガーと90年代を代表する名馬ホーリーブルの共通点

Youtubeで過去の名馬のレースを探していたりしたんですが、結構古い、伝説の名馬の動画も残ってるんですね。その中で1960年代アメリカの伝説的短距離馬Dr. Fager(ドクターフェイガー)のレースもいくつか動画としてUPされていました。
 

 
この動画は1968年のワシントンパークHCですが、このレースでドクターフェイガーはダート1マイル1分32秒20という驚異的なレコードタイムで勝利します。wikiによると未だにダート1マイルの世界レコードだとか。ちなみに2着馬との着差は10馬身。動画を見ると直線入り口で先頭に立つとそこから後続馬をどんどん離していく横綱相撲。しかも61キロの斤量でのタイムだけに圧倒的。
 
さて、このドクターフェイガーですが、ファピアノの母の父として有名で、ファピアノ系の馬の血統表で見かけたことも多いかも。僕もたぶん最初はそうだったと思う。
 

 
ドクターフェイガーの血統は父は全体的に現在ではマイナー血統と呼ばれるもので閉められていて、父はヒムヤー系を広めた名種牡馬Rough’n Tumble(ラフタンブル)。母父Better Selfもヒムヤー系。ラフタンブルの母父Bull Dogはテディの直仔。母母父Bull BrierはBull Dogの直仔。

 
さて、この伝説的快速馬ドクターフェイガーの半妹が兄と同じくアメリカ競馬殿堂入りしている名牝Ta Wee(タウィー)。兄ドクターフェイガーと同じく短距離戦線で活躍したが、繁殖入りして産んだ仔の一頭にGreat Above(グレートアバヴ)がいる。グレートアバヴはジェロームHCを勝った程度の馬で種牡馬入り後も目立った産駒は残していなかったんだけど、1991年に突如歴史的名馬を産んだ。その馬の名はHoly Bull(ホーリーブル)。16戦13勝(G1 6勝)という見事な成績を上げ、3歳時にエクリプス賞年度代表馬を受賞。2001年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たした。
 

 
ホーリーブルの代表的レースが古馬との初対戦となったメトロポリタンHC。古馬との対戦となったがチェロキーランに5馬身半差の圧勝劇。ケンタッキーダービーで惨敗し、評価を落としたホーリーブルだったが、改めて強さを示した一戦となった。
 

 
こちらがホーリーブルの血統表。ラフタンブルを父に持つドクターフェイガーを再現しようとタウィーにラフタンブルの仔Minnesota Macを種付けしたんじゃないかなーと妄想。そして産まれたグレートアバヴ自身はドクターフェイガーとはほど遠い現役生活であったが、その仔のホーリーブルはドクターフェイガーに負けない伝説的名馬になった。生産者の夢が結実した瞬間だったのではないかと。血統のロマンだなぁとしみじみ思った次第。